金属とプラズマの共通性(2007/01/20)
 
面白い本があったので紹介しましょう。サイエンス・アイ新書
タイトル「透明金属が拓く驚異の世界」(副題:不可能に挑むナノテクノロジーの錬金術)
という本です。
ガラスが高性能の透明トランジスタになったり、セメント材料から透明な半導体や金属の
ような物質を作ろうという内容の本です。もちろんセメント材料の原子を金属などの異なる
原子に変えるということではなく、分子構造を変え電気を通しやすくすることで透明な物質
や半導体や金属の性質を持たせようという内容です。
ガラスの材料の二酸化ケイ素(SiO2)、セメントの材料の二酸化ケイ素(SiO2)、
酸化カルシウム(CaO)、または酸化アルミニウム(Al2O3)は地球上に豊富にありますから
これらから金属や半導体のような性質を持つ材料ができれば、すばらしいことです。
ところで、金属とプラズマの共通性ですが、錆びていない金属はよく電気を通しますし
金属光沢を持ちよく光を反射します。当HPの「電離層のプラズマ振動」や「電離層における
電波の反射」では、プラズマもよく電気を通し、プラズマの電子密度が高いほど波長の
短い電磁波(いわゆる電波)を反射できるという説明をしました。
金属では非常に高い電子密度を持っていますから、我々が見ることができる可視光(波長
360nm~830nmの電磁波)は反射されます。しかし、金属といえども、もっと短い波長の光は
反射されず透過されますから、そのような電磁波に対しては金属も透明ということになり
ます。
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